EscApiSmEr’s room

日々の雑感と勉強の記録

突然思いついたこと

忘れないようにとりあえず書きなぐる。

 

1. 法律問題は、何らかの行為・措置・制度によって何らかの利益が侵害され、または侵害されるおそれがあって生じる。つまり、考慮すべき何らかの利益が存在する。

 他方、それらの行為等も何らかの必要があって行われる。つまり、行為等を行うことによって実現すべき利益が存在する。何らの利益が存在しない行為等であれば、そもそも法律問題として俎上に乗せられることはないだろう。

 つまり、結局はそのような対立する利益をどのように衡量するか、ということが問題となるのが法律問題なのである。

 

2. 裁判所は、立法された法律等・法律等に基づいてなされた措置等の適法性・請求の認否を判断するのだから、法律問題は常に特定の条文との関係で生じる。

 そして、その条文は、立法者がその制度・概念の構築によって侵害される利益と得られる利益を想定して、何らかの趣旨・目的の下立法されている。

 そうだとすれば、司法試験においては、どの科目においても、そのような対立利益を条文の趣旨を通して探り、衡量することが求められているということになる。

 

3. ではどうやって衡量するか。

 ①「XであればOK、XでないならNG」という衡量済みの規範を立てるか、②「必要かつ相当」という個別的な衡量を行うかである。

 確立された判例や学説が存在するなら①による必要がある。そうでない未知の問題については②を立てればよい。

 しかし、①も②も究極的には利益衡量なのだから、①についても、忘れてしまった場合には最悪②を立てれば間違いではないだろう。

 

4. 科目毎の違い

 民事系、特に民事実体法は、条文においてすでに利益衡量がなされた上で立法されている場合が多い。だから条文が特に重要であるし、その趣旨を理解することも何より重要である。もっとも、私的自治が妥当する領域では、既存の条文等により利益衡量が確定された点を除けば契約当事者による利益衡量が許されるから、契約内容の解釈が重要となる。

 公法系は、憲法については条文において綿密な衡量がなされておらず、個別事情に応じた衡量に委ねられている。だから、例えば「表現の自由に対する規制」といっても、その具体的な内容を根拠法令や事実関係を基に確定する必要がある。行政法は、既知の法令は出題されない。だから、現場で法令を分析しその趣旨を探る必要がある。そしてそれが求められている。

 刑事系は、刑法においては確立された解釈がある。上記①を覚え、適用するだけの科目である。刑事訴訟法は、分野によるが捜査法は②による個別事情に応じた検討が求められている。

 

5. 検討の前提となる条文、定義、要件、効果、そして制度の趣旨といった基本的なことが結局大切なのではないか、ということになる。

 

 こういうことを考えてみると、いずれの科目においても利益衡量が重要で、その方法が科目によって違うだけという気がしてくる。

この点を意識しながら準備し、問題とも向き合いたい。